境界線の虹鱒

セクシュアリティ徒然草

Aセクシュアル研究への招待――英語圏での研究動向(文献メモ)

Ela Przybylo (2016) "Introducing asexuality, unthinking sex " Introducing the New Sexuality Studies 3rd Edition の第21章 (pp.181-191) である。当該箇所の全文pdfはこちらのリンク先でダウンロードできる。 https://www.researchgate.net/publicatio…

「ルギアで抜いた人」から考えるセクシュアリティ論【雑感】

今まで文献紹介の記事しか書いていなかったので、息抜きも兼ねて軽めの記事を書いてみる。こういう記事は初めてなので、取りこぼしている論点は多々あるし、また不慣れな文章になっているかもしれないが、お許しいただきたい*1。 今回取り上げるのは、いわゆ…

【翻訳】英語圏の二次コン(toonophilia)概説――二次コンをめぐる言説、および当事者の声

2012年8月31日 マーク・グリフィス(Mark Griffiths) 以前のブログで、ファーリー・ファンダム(Furry Fandom:動物に扮することで性的快感を得たり、あるいは動物の格好をした人とセックスすることで性的快感を得る人のこと)と対物性愛(objectum sexuali…

Aセクも多様です――Aセクシュアルの自慰と性的空想に関する近年の研究動向(後編)

お待たせしました。以前の論文紹介の続きです。(元論文へのリンクは前回の記事にあります) 【内容報告】 前回の記事でも述べたとおり、Aセクシュアルの性的空想とマスターベーションに関する量的調査である。まずは調査結果の概要をまとめておく(今回の論…

性暴力ゲームは批判されるべきか?――レイプレイ事件に関する海外の論文

原題 “RapeLay and the return of the sex wars in Japan”(レイプレイと日本におけるセックス戦争の再来)PW Galbraith 梗概和訳この論説では、プレイヤーに架空の女性をレイプすることを許すようなアダルトコンピューターゲームである『レイプレイ』(2006…

ゲイル・ルービン『性を考える セクシュアリティの政治に関するラディカルな理論のための覚書』個人的要約メモ

フェミニズム系文化人類学者のゲイル・ルービンによる、ゲイ/レズビアン運動やクィア・スタディーズにおける重要文献(原典初出は1984年)。多様なセクシュアリティが階層化され、下層に位置付けられたセクシュアリティが法制度や社会規範によって攻撃され…

オナニーしたってAセクです!――Aセクシュアルの自慰と性的空想に関する近年の研究動向(前編)

原題:"Sexual fantasy and masturbation among asexual individuals: An In-Depth Exploration"(「Aセクシャルの性的空想とマスターベーション:徹底的な調査」) 梗概(和訳) Aセクシャルの人は一般的に、セクシャル・アトラクション(性的に惹かれる…

『苦痛か性的快感かの表情判断における性差』(梗概和訳と雑感)

(原題 "Sex Differences in the Assessment of Pain Versus Sexual Pleasure Facial Expressions") 梗概(和訳) まったく異なる情動でありながら、苦痛を感じている人の表情は、強い性的快感を感じている人の表情と驚くほど似ている。私たちは、男女それ…