2023年8月23日に、台湾のイベントで講演をしました。フェミニズム・クィアの文脈でフィクトセクシュアルを主題にしたイベントは、おそらく世界初ではないかなと思います。
講演内容としては、フィクトセクシュアルについて、とりわけ私が行ってきた二次元性愛の研究を紹介しつつ、そこからフェミニズムやクィアの運動や研究にどのような示唆をもたしうるか、というお話です。また、そもそも「二次元」とは何かという問題や、フィクトセクシュアルの周縁化の事例についても説明しました。
講演の読み上げ原稿の全文(約16000字+文献リスト)と注釈(約7500字)をつけた資料を公開します*1。下記のResearchmapから全文PDFをダウンロードできます。やや理論的な話も含まれていますが、私の研究についての(現時点で)もっとも分かりやすい解説になっていると思いますので、ご活用いただければ幸いです。
また、講演資料の繁体中文訳版も後日公開される予定です。
目次は以下のとおりです:
1 はじめに
2 二次元をめぐる欲望や実践
3 二次元性愛の存在を説明するためのクィア理論
4 周縁化の事例
5 対人性愛中心主義を説明するためのクィア理論
6 連帯に向けて
引用例:
松浦優,2023,「フィクトセクシュアルから考えるジェンダー/セクシュアリティの政治」,公開講座「從紙性戀思考性與性別的政治」日本語版講演資料,https://researchmap.jp/mtwrmtwr/presentations/42871322.
*1:当初は発表形式を勘違いしていて、4万字弱の原稿を書いていましたが、超過分は削ったり注に押し込んだりしました。